第14回 ウインターグリーン Gaultheria procumbens

傷ついた葉から香る湿布の成分

■科名:ツツジ科

■抽出部位:葉

■抽出方法:水蒸気蒸留法

■特性成分:

サリチル酸メチル(メチル・サリシレート)98-99%(エステル類*)、リナロール(モノテルペンアルコール類)<1%など
*サリチル酸とメチルアルコールのエステル化合物でフェノール類にも分類されます。サリチル酸メチルとも言います。

■特徴

クリスマス近くになると花屋さんの店先でかわいらしい赤い実をつけたウインターグリーンの別名「チェッカベリー」の鉢を見つけることができます。夏には白い可憐な花を咲かせます。

 

葉を揉むと少しだけですが、スーっとした湿布の香りがします。葉は、傷つけられたり、病虫害に侵されると、身を守るために、一気に病害抵抗性を高めてサリチル酸メチルを生産するからです。

 

つまり、病虫害に脅かされない平穏時には、サリチル酸メチルは葉の中には存在せず、サリチル酸グルコシド(配糖体)として水に溶けやすい状態で存在しています。ですから、ウインターグリーンは、葉をお湯に半日から1日浸して葉を痛めつけ、サリチル酸メチルができてから水蒸気蒸留を行って精油を抽出します。

 

精油は産地によって若干成分が異なります。見た目もほとんど透明色からピンク色のものまであります。ピンク色の正体はオイゲノールという成分(クローブに多く含まれる成分で歯医者さんの匂い)がわずかに含まれるためです。

 

精油は、湿布に象徴されるメチル・サリシレート(サリチル酸メチル)の香りが特徴的で、メチル・サリシレートで98-99%も占められています。

 

単独で使うこともできますが、メチル・サリシレートだけの作用になってしまうので、他の精油とブレンドしたほうがよいでしょう。成分構成が豊かになり、使い心地もよくなります。スポーツ選手に愛用されている精油で筋肉や腱などのダメージに使用されます。

 

(注意)メチル・サリシレート(サリチル酸メチル)に過敏症の方は使用しないでください。 また、刺激があるので原液のまま塗布しないでください。

 

■主な作用

・ 優れた抗炎症作用があります。

・ 鎮痛作用があります。

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