ラベンダーとラバンジンの使い分け

ラバンジンは、真正ラベンダーLavandula angustifoliaとスパイクラベンダーLavandula latifoliaの交雑(交配)種で、真正ラベンダーよりも長い花穂に多く花を咲かせます。プロヴァンスに広がる、あの素晴らしい紫色の畝をつくります。

 

アロマテラピーに使うのはスーパー種Lavandula × intermedia superとアブリアリス種Lavandula × intermedia abrialisです。

 

真正ラベンダーとラバンジンの成分の大きな違いは、1,8-シネオールとカンファーの含有量の違いです。真正ラベンダーよりもラバンジンのほうが、この2種類の成分が多く含まれています。

 

真正ラベンダー の香りに近いのはスーパー種のほうで、香りの面ではアブリアリス種のほうがやや劣ります。なぜなら、アブリアリス種のほうが1,8-シネオールとカンファー(樟脳)が多く含まれるため、真正ラベンダーのフローラルな香りからは遠ざかります。いずれにしても、ラバンジンは真正ラベンダーのような繊細でやさしい香りではありません。

 

しかし、精神心理面のケアでなければ、高価な真正ラベンダーの代わりにラバンジンを使うことができます。特に、日常のマッサージや芳香浴では他のエッセンシャルオイルとブレンドして使うという前提で、ラバンジンで十分でしょう。代謝をスムーズにして疲労物質の排出を促し、筋肉の急激な収縮や拘縮を防ぐのでリハビリを始めるときやスポーツ前のマッサージに適しています。

 

また、ラバンジンは体液循環を促すので、冷え性のケアや美容のためのマッサージ、スキンケアにも有用です。抗炎症作用もあるので、下肢のうっ血・うっ滞やそれによる痛みを緩和します。皮膚に対する抗真菌作用、抗感染作用があり、スキンケアにも適しています。

 

余談になりますが、写真のように畑に大きな木があると、日中に蓄えられた熱や日射を、夜間に拡散させてくれます。木だけで熱波を封じ込めることはできませんが、長期的には軽減し、炭素を封じ込めることができるそうです!