抽出部位:葉
特性成分:1,8-シネオール、サビネン、α-テルピネオールなど
長年、ラベンサラ Ravensara aromatica と誤って呼ばれていました。あまり知られていませんが、真正ラベンダーのように用途が広く、とても貴重なエッセンシャルオイルです。
無人島にエッセンシャルオイルを 1 本だけ持って行くとしたらラヴィンサラだ、と言う医師もいるくらい役に立ちます。1,8-シネオール(別名ユーカリプトール)を多く含み、クリアで染み通るような香りが心身をリセットします。
自然治癒力(免疫力)を高める働きに優れ、さまざまな感染症の予防や治癒を促すのに有効です。特にインフルエンザに有効だと言われています。
また、疲労している心身両面に活力を与え、気分が落ち込んでいる状態から前向きに物事を考えられるように導きます。
筋肉のこわばりをほぐしリラックスさせる働きもあるので、肩凝りや関節リウマチ、スポーツマッサージにもよく用いられます。
このように肉体、精神・心理面の両方のバランスを回復させる類い稀なエッセンシャルオイルです。
すべての吸収ルートに適している扱いやすいエッセンシャルオイルです。
飲 用 | 皮膚塗布 | 芳香浴 | |
大人 | ★★★ | ★★★ | ★★ |
子供 | ★★★ | ★★★ | ★★ |
★★★ | =最適です |
★★ | =適しています |
★ | =可能ですがすすめられません |
× |
=適していません |
<喉の痛み、風邪の予防、口内炎の予防>
ぬるま湯にラヴィンサラ1滴を垂らしてうがいをします。
<喉の痛み、寒気>
ラヴィンサラ1滴をなめます。または、ティースプーン1杯の蜂蜜または角砂糖に垂らして飲みま
す。
<風邪>
ニアウリ2滴、ユーカリラジアタ2滴、ラヴィンサラ2滴を原液のまま首、背中、腕に塗ります。
肌の弱い方や子供は植物油を加えて塗ります。
<風邪気味(鼻汁や軽い咳)>*大人のみ
ペパーミント1滴、ラヴィンサラ1滴をティースプーン1杯の蜂蜜または角砂糖に垂らして1日3~4回飲みます。
<咳・痰、風邪の初期>
ラヴィンサラ2滴、ユーカリラジアタ1滴、ローズマリー・シネオール1滴をブレンドして胸に擦り込みます。併せて、ユーカリラジアタ1滴、ローズマリー・シネオール1滴をお湯を入れたボウルに垂らして吸入を行うとより効果的です。
<痰を伴う咳>
ニアウリ2滴、ユーカリグローブルス2滴、ラヴィンサラ2滴を胸に塗ります。
<咳、気管支炎>
サイプレス10滴、真正ラベンダー10滴、ラヴィンサラ10滴を 15ml の植物油に加えて首筋から胸にかけて擦り込みます。1 日数回行います。
<鼻炎>
スパイクラベンダー、ユーカリラジアタ、ローズマリー・シネオールを1:2:2の割合でブレンドして吸入を行います。併せて、ラヴィンサラ1滴、ローズマリー・シネオール1滴をティースプーン1杯の蜂蜜または角砂糖に垂らして1日2~3回飲むとより効果的です。
<耳炎>
ニアウリ1滴、ラヴィンサラ1滴、ローズマリー・シネオール1滴を原液のまま耳の周囲に塗ります。併せて、真正ラベンダー1滴を脱脂綿に垂らして耳の入り口に詰めると痛みを鎮めます。
<口唇ヘルペス>
ニアウリ1滴、ラヴィンサラ1滴を塗ります。
<口内炎>
ラヴィンサラ1滴を綿棒に付けて塗ります。併せて、水またはぬるま湯にラヴィンサラ1滴を垂らしてうがいをします。
<首・肩の凝り>
真正ラベンダー2滴、ラヴィンサラ2滴を首筋と肩、背中に擦り込みます。
<寝違え>
ユーカリシトリオドラ2滴、ラヴィンサラ2滴、ローマンカモミール2滴を 5ml の植物油に加え、首、肩に擦り込みます。
<筋肉疲労>
ラヴィンサラ 2 滴、ローズマリー・シネオール 2 滴を少量の植物油に加えて塗ります。
<筋肉痛>
スパイクラベンダー3 滴、ラヴィンサラ 3 滴、ウインターグリーン 2 滴を少量のヘーゼルナッツ油
に加えてマッサージを行います。
<ストレス>*飲用は大人のみ
真正ラベンダー1滴、ビターオレンジ・リーブス1滴、ローマンカモミール1滴をみぞおちに塗ります。併せて、バジル1滴、ラヴィンサラ 1滴をティースプーン1杯の蜂蜜または角砂糖に垂らして飲むとより効果的です。
<パニック>
真正ラベンダー1滴、ビターオレンジ・リーブス2滴、ラヴィンサラ1滴を少量のスイートアーモンド油に加え、みぞおち、胸骨に擦り込みます。
<過労、抑うつ>*大人のみ
シナモン1滴、ペパーミント1滴(またはレモン1滴)、ラヴィンサラ 滴をティースプーン1杯の蜂蜜または角砂糖に垂らして1日2~3回飲みます。併せて、少量のイランイランを手首に、少量
の真正ラベンダーをみぞおちに塗るとより効果的です。
Cinnamomum camphora はいわゆる「ケモタイプ」のエッセンシャルオイルで、同じ学名の植物であっても産地によって含有成分のまったく異なるエッセンシャルオイルが抽出されます。
例えば、日本で「クスノキ」あるいは「樟脳の木」と呼ばれる、日本原産のCinnamomum camphoraからは、「芳樟油」「カンファー油」あるいは「ホーリーフ油」という名のカンファーの含有率が50%以上のエッセンシャルオイルが抽出されます。
ですから、学名が同じCinnamomum camphoraだからといって樟脳の香りがする日本やアジアの「カンファー油」や「ホーリーフ油」と、マダガスカル原産で 1,8-シネオールの香りが特徴的な「ラヴィンサラ」を混同しないようにしてください。2 つのエッセンシャルオイルは似て非なるものです。
マダガスカル産のCinnamomum camphoraの葉を水蒸気蒸留して抽出されたエッセンシャルオイルは「ラヴィンサラ Ravintsara」であって、日本・アジア産のCinnamomum camphoraから抽出された「カンファー油」や「ホーリーフ油」とはまったく違うものです。
ラヴィンサラ は 1,8-シネオールを豊富に含み、アロマテラピーでは欠くことのできない重要なエッセンシャルオイルです。飲用、皮膚塗布、芳香浴と使用法も幅広く、作用も穏やかで、子供にも安心して使うことができます。逆に、カンファーを多く含むカンファー油やホーリーフ油は、使用に際し注意が必要で、アロマテラピーに使われることはほとんどありません。