認知症患者のQOL向上と介護者の負担軽減

認知症に伴う、徘徊や暴力行為、そして抑うつや不安は、認知症の行動・心理症状(BPSD: Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)と呼ばれ、認知症を患う当事者やケアを行う介護者にとって最も顕著で苦痛の大きい問題となっています。高齢化社会と言われて久しい日本でもこの問題はクローズアップされています。 

 

ディフューザーやサシェ(香り袋)などを用いてエッセンシャルオイルの香りを嗅ぐという芳香浴(吸入)によるアプローチは、アロマテラピーを用いたBPSD対策の最も手軽な導入方法であり、認知症の高齢者のQOL(生活の質)を著しく改善し、介護者のストレスと負担を軽減し、副作用もないことが、いくつかの研究で示されています。

 

例えば、ラベンダーやブレンドされたエッセンシャルオイルの香りは、認知症の人の興奮を大幅に軽減するだけでなく、介護者の苦痛も大幅に軽減し、双方にとって好ましい影響を及ぼすことがわかっています。 

 

また、ラベンダーなどを用いたマッサージも抑うつなどのBPSDを大幅に改善することがわかっています。 

 

このように比較的簡易なアロマテラピーの介入で、認知症の方のQOLが改善されるだけでなく、介護者にとっても建設的な活動に費やす時間が大幅に増加されたことが報告されています。

 

Reference:

Li, B. S. Y., Chan, C. W. H., Li, M., Wong, I. K. Y., & Yu, Y. H. U. (2021). Effectiveness and Safety of Aromatherapy in Managing Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia: A Mixed-Methods Systematic Review. Dementia and Geriatric Cognitive Disorders Extra, 11(3), 273–297.