10月になるとローリエLaurus nobilisの葉には精油分が一番多くなり、収穫時期を迎えます。近年は猛暑の影響で少し早まっているかもしれません。
ローリエの葉を料理に使う場合は、乾燥させて用います。収穫したての葉は厚く、精油が含まれている油胞がはじけにくく、生の葉を料理に使っても十分な香りを与えることができないからです。また、生の葉にはユーカリの香りを思わせる1,8-シネオール(ユーカリプトール)という成分が多く含まれています。1,8-シネオールは揮発性が高い成分なので、葉を乾燥させ揮発させることではじめて、ローリエの葉はローリエらしい香りを湛えることになるからです(ちなみに、ローリエの精油も水蒸気蒸留後に1年ほど安置する必要があります)。
収穫した枝葉は束にして、湿気の少ない涼しい日陰に吊るして乾燥させます。こうすると、7~10日ほどでよい香りが出てきます。
乾燥させたローリエの葉は主に煮込み料理やマリネなどに用いますが、精油のローリエも使うことができます。ただし、入れ過ぎに注意が必要です。仕上げに極少量を入れますが、ローリエ単独で使われることはなく、ローズマリーやタイムなどと一緒に用います。
例えば、マヨネーズやドレッシング大さじ1杯に香りを少し移したいときには、精油を楊枝の先にほんの少し付けてかき混ぜます。瞬時に香り高いお料理が出来上がります!
特に、料理にローリエの精油を用いる場合は、1,8-シネオールの香りが強いと感じたら、少し空気に触れさせてから用いると、ローリエ特有の甘いハーブの香りを楽しむことができます。
注意)精油を使う場合は、品質の確かなものをご使用ください。