第6回 ユーカリグローブルス Eucalyptus globulus

ユーカリラジアタとブレンドすると効果的

科名:フトモモ科

■抽出部位:葉

■抽出方法:水蒸気蒸留法

■特性成分:

1,8-シネオール(モノテルペン・オキサイド類)60~75%

α-ピネン(モノテルペン類)10~20%

グロブロール(セスキテルペン・アルコール類)0.2~2% など

 

 

■特徴

ユーカリEucalyptus属には多くの種があります。「ユーカリ」という慣用名だけではどの種を示すのかまったくわからないので学名チェックすることが必要ですが、一般的に「ユーカリEucalyptus」という場合はユーカリグローブルスEucalyptus globulusのことを示す場合が多いようです。蒴果(果実)から抽出されたエッセンシャルオイルもありますが、葉から抽出されたものが一般的です。

 

ユーカリグローブルスは同属で1,8-シネオールを多く含むユーカリラジアタよりもパワフルな香りが特徴です。汗臭いような少しクセのある香りもします。このクセのある香りを除去して香りをよくするために加工されることがよくあります。

 

水蒸気蒸留して得たエッセンシャルオイルをもう一度蒸留するのです。そうすると「蒸れ香」とも呼ばれるイソバレルアルデヒド(アルデヒド類)などが排除され、1,8-シネオールの含有率が高い、すっきりした嫌味のない香りのユーカリグローブルスが出来上がります。

 

メーカーによっても異なりますが、90~95%も1,8-シネオールで占められ、ほんの少しのモノテルペン・アルコール類と微量のモノテルペン類のみで構成されている(つまりアルデヒド類やセスキテルペン類、セスキテルペン・アルコール類などは含まれない)エッセンシャルオイルもあります。

 

このようなエッセンシャルオイルは工業製品の香料として用いるのはよいのですが、アロマテラピーに使うことはできません。アロマテラピーの観点ではこのエッセンシャルオイルの主要成分である1,8-シネオールだけが重要な成分ではないからです。植物に含まれる成分の全てが必要なのです。

 

ユーカリグローブルスの持つ作用特性は1,8-シネオールだけが形成するわけではなく、他の成分との相乗作用によって生み出されるからです。たとえ微量であっても、香りをじゃまする成分であっても、アロマテラピーには必要不可欠な芳香成分なのです。

 

ユーカリグローブルスは主に下気道(気管支-肺領域)のトラブルに用いられます。これに対し、上気道(耳鼻咽喉領域)にはユーカリラジアタが用いられます。特に気管支肺の粘膜のうっ血や炎症を鎮める作用や優れた去痰作用があります。また、抗けいれん作用により、低下した呼吸器の働きを活性化します。毛細血管と肺胞のガス交換を活発にして呼吸を楽にします。

 

公害や喫煙などによる大気の汚れや、冬の冷たい空気から気管支を保護する働き、急性あるいは慢性気管支炎、肺気腫、喘息などのケアに適しています。特に高齢で呼吸器の働きが弱っている場合に起こしやすい肺炎や他の感染症の併発を予防するのに優れています。また、風邪を引いて熱が下がったにもかかわらず、なかなか治らない咳や痰に効果を発揮します。

 

風邪や気管支炎などに使う皮膚に塗るローションを作る場合は、ユーカリラジアタとブレンドすると効果的です。

 

■主な作用

・ 免疫能を刺激します

・ 身体に活力を与えます

・ 肺のガス交換を活発にします

・ 下気道のうっ血、うっ滞を除去します

・ 痰を切り、咳を鎮めます

 

 

■備考

レモンユーカリとも呼ばれるユーカリシトリオドラ(Eucalyptus citriodora / Corymbia citriodora)はユーカリグローブルスやユーカリラジアタとは全く性質の異なるユーカリです。

ユーカリシトリオドラ(Eucalyptus citriodora / Corymbia citriodora

シトロネラール(アルデヒド類)60~76%

シトロネロール(モノテルペン・アルコール類)6~12%

イソプレゴール(モノテルペン・アルコール類)2~8%

シトロネリル・アセテート(エステル類)1~3%

 

【 自らを燃やして命をつなぐユーカリ 】

ユーカリは主にオーストラリアに分布する大木で、葉にエッセンシャルオイルの成分が多く含まれています。エッセンシャルオイルは揮発性があるため、空気中に蒸散し、樹林帯が青っぽく見えるほどです。

 

グローブルス種に限ったことではありませんが、ユーカリは面白い植物で、山火事によって繁殖するという性質があります。引火点の低いエッセンシャルオイルを多く含んでいますから、山火事になりやすい条件はそろっています。

 

樹木自体は焼け焦げて死んでしまいますが、高温にさらされた種を含む実がはじけて、土壌に蒔かれるという仕組みです。

 

成長が早いのでたちまち大きくなり、スムーズな世代交代を行って森の命をつないでいます。山火事がないと生き延びることのできない変わった植物です。先住民のアボリジニは傷を癒すのにこの葉を利用してきたと伝えられています。

 

 

ユーカリグローブルスのセルフケアはこちらです。