第5回 ユーカリラジアタ Eucalyptus radiata

呼吸器系の感染症にはユーカリの蒸気吸入が有効

■科名:フトモモ科

■抽出部位:葉

■抽出方法:水蒸気蒸留法

■特性成分:

1,8-シネオール(モノテルペン・オキサイド類)65~80%

α-テルピネオール(モノテルペン・アルコール類)6~10%

リモネン(モノテルペン類)4~7% など

 

■特徴

ユーカリにはとても多くの種があります。ただし、アロマテラピー用エッセンシャオイルの原料になる種は限られています。その中でも一番汎用性が広いのが、ユーカリラジアタです。1,8-シネオール(別名ユーカリプトール)が多く含まれるタイプのユーカリで、とてもさわやかな香りと使い心地です。主に呼吸器系の上部(耳鼻咽喉領域)に用いられます。

ユーカリグローブルスよりもやさしい香りなので、吸い込んでもむせたりすることがありません。ユーカリグローブルス同様に気管支の炎症、うっ血を除去して炎症を鎮めて痰を出しやすくします。また、鼻咽頭炎や副鼻腔炎、耳炎などにも優れた効果を発揮します。風邪や気管支炎などの場合はユーカリグローブルスとブレンドして用いるとより効果的です。

ラベンダーやローズマリー・シネオール、ラヴィンサラといったエッセンシャルオイルとブレンドし、植物油で薄めたものを耳の周りや首のリンパ腺に沿って塗布します。耳管のコンディションを改善し、粘液によってつまった中耳の通りをよくします。耳炎にはニアウリとラベンダーをブレンドします。

ユーカリラジアタには免疫能を刺激する作用もあるので、風邪、インフルエンザなどウイルスによる子供の感染症の治療にとても有効です。使いやすく安全なエッセンシャルオイルで、原液のまま皮膚に塗布してもなんら問題はありません。ユーカリラジアタは、主に上気道(耳鼻咽頭領域)のトラブルに用いられるエッセンシャルオイルです。

 

 ■主な作用

・ 上気道のうっ血・うっ滞を除去します。

・ 痰を出しやすくし、咳を鎮めます。

・ 痛みを鎮めます。

・ 耳鼻咽喉腔の排液を促します。

 

【 呼吸器系の感染症にはユーカリの吸入 】

 ユーカリラジアタやユーカリグローブルスなど「ユーカリ属」の呼吸器系感染症に対する治療効果について、科学的な検証に基づいて書かれた研究論文があります。概要を紹介致します。

 「ユーカリの精油とその主要成分である1,8-シネオールには、結核菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、真菌(カンジダを含む)などの多くの細菌やウイルスに対して抗菌・抗ウイルス作用があり、免疫刺激作用、抗炎症作用、抗酸化作用、鎮痛作用、鎮痙作用があることが認められた。

 また、ユーカリの精油の蒸気吸入は、気管支炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などにも有益である。風邪やインフルエンザ、副鼻腔炎などの呼吸器系の感染症に民間療法として安全に使われてきた歴史もあり、安全性と広い抗菌スペクトルにより、医薬品の代替品にもなりうる。

 実際の蒸気吸入の方法としては、マグカップにお湯を入れ、ユーカリの精油を2~4滴入れ、2~3分吸入を行うのがいい」*

 

Reference:

* Angela E. Sadlon, ND, and Davis W. Lamson, MS, ND, Immune-Modifying and Antimicrobial Effects of Eucalyptus Oil and Simple Inhalation Deevices, Alternative Medicine Review Volume 15, Number 1 

 

■備考

 ユーカリには性質の異なる多くの種がありますから、単に「ユーカリ」と表示してあるエッセンシャルオイルを使うのは危険です。

また、ユーカリラジアタとよく似たエッセンシャルオイルに、ユーカリグローブルスEucalyptus globulus があり、しばしば混同されて使われています。しかし、その作用特性は異なるので使い分けが必要です。

 ユーカリラジアタは主に耳鼻咽喉領域、つまり上気道のトラブルに、ユーカリグローブルスは主に気管支肺などの下気道のトラブルに用いられます。

 ユーカリラジアタ Eucalyptus radiata のエッセンシャルオイルは1,8-シネオールの含有率を高めるためにしばしば加工されます。このようなエッセンシャルオイルをアロマテラピーに用いることはできません。

 

ユーカリラジアタのセルフケアは こちら です