身近な感染症にファーストチョイス。ラベンダーと肩を並べる多才な精油です。
■科名:クスノキ科
■抽出部位:葉
■抽出方法:水蒸気蒸留法
■特性成分:
1,8-シネオール(モノテルペン・オキサイド類)50~65%
サビネン(モノテルペン類)7~13%
α-テルピネオール(モノテルペン・アルコール類)7~10% など
■特徴
ラヴィンサラはケモタイプ(学名は同じでも産地によって成分が異なる)の精油です。ここで紹介するラヴィンサラはマダガスカル産の1,8-シネオール(別名ユーカリプトール)を豊富に含むタイプです。
すっきりとした香りで使いやすく、ラベンダーと肩を並べる万能な精油と言っても過言ではないでしょう。飲用、皮膚塗布、芳香浴と全ての吸収ルートに使うことができ、作用も穏やかです。単独(他の精油とブレンドしなくても)でも効果を発揮するのでとても利用価値が高い精油です。
免疫能を刺激して、さまざまな感染症の予防や治癒を促し、特にインフルエンザにファーストチョイスだと言われています。風邪の流行する季節をはじめ、花粉に悩む季節にも重宝します。
ラヴィンサラは肉体的な問題だけでなく、精神心理面のトラブルにも用いられます。心身共に疲れてうつ状態になっている人や絶望している人、自信を喪失している人、不安に悩まされている人を助けます。
また、筋肉をリラックスさせて痛みを鎮める作用もあるので、関節痛やリウマチなどにも用いられます。
肉体にも精神心理面にも働きかけ、また、どんな精油ともブレンドできる利用価値の高い、多才な精油です。
■主な作用
・免疫能を刺激して、病気の予防と回復を促します。
・抗菌作用、抗ウイルス作用があります。
・心身両面に活力を与えます。
・痛みを鎮めます。
・筋肉のこわばりをほぐし、リラックスさせます。
■備考
アロマテラピーに欠くことのできない精油の一つにラヴィンサラがあります。ラベンダーと並んで用途が広く、使い勝手のよいエッセンシャルオイルです。
ラヴィンサラの学名はCinnamomum camphoraで、和名は樟脳(クスノキ)。日本のクスノキはカンファー(樟脳)を多く含有するため、防虫用に使われています。樟脳は16~17世紀にアジアからマダガスカルに輸入されました。アジア原産のものは、樟脳(カンファー)が高濃度に含まれていますが、マダガスカルの土壌でその化学組成は変異し、樟脳をほとんど含まない代わりに1,8-シネオールを豊富に含む植物になりました。
そして、この変異がマダガスカル語で「良い葉」(Ravina = Leaf、Tsara = Good)を意味するRavintsara=ラヴィンサラという慣用名を生みました。マダガスカルでは、あらゆる病気を治すことができる、奇跡の植物であると言い伝えられています。
アロマテラピー用の精油としてはマダガスカル産の1,8-シネオール(ユーカリプトール)を多く含むタイプが主に用いられています。ケモタイプの精油なので、Cinnamomum camphora BS 1,8-cineoleと表記されます。
Antoine Baumé(薬剤師・化学者)が初めて精油を抽出し、数年後にPierre Boiteau(植物学者)が研究し、1775年にその治療効果が明らかにされました。ウイルスによる感染症(特に冬に流行する)対策に用いられるだけでなく、疲労、不安、不眠など心身両面のトラブルにも有用とされています。
ラヴィンサラは、Ravensara aromaticaという植物と混同されてきた歴史があります。今日でも混同されることが少なくありませんが、その成分組成と性質は全く異なります。
ラヴィンサラのセルフケアは こちら です。